高級ファッションブランドのEコマースへの適応方法|SaleCycleブログ

マーケティング

オンラインリテールは高級ブランド(ハイブランド)にとって、長年の課題でした。そして今でもEコマースの波に乗り遅れないよう適応する必要があるブランドが多く存在します。

オンライン販売を提供している高級ブランドは増加していますが、Eコマースに関しては他の業界に遅れを取っています。The Drumの統計によると、高級商品の全ての売り上げのうち、オンラインで行われたものはわずか9%となっています。これに比べ、2018年には全リテール売り上げの18.2%がオンラインで行われました。

弊社のアパレルEコマーストレンドレポートは、高級アパレルEコマースの現状に着目し、高級ブランドとそれ以外のアパレル市場を比較しています。

Eコマースは高級ブランドに対して独特な課題を提示しました。オンラインリテールの常時接続がラグジュアリー市場の理念に反するという考えなどの、組織的な問題が足を引っ張っています。

この理念は、Vincent Bastien氏による「アンチ・マーケティング」の法則に反映されており、ラグジュアリーアイテムのマーケティングは他の業界のそれとは根本的に異なり、オンライン販売を好みません。

今ではこれは全ブランドが持つ態度だとは限りませんが、ラグジュアリーブランドのオンライン販売に対する後ろ向きな態度の説明にはなります。例えばChanelは、当初はEコマースを無視していましたが、2016年にはトランザクションサイトを導入しました。

オンラインリテールの急成長により、多くのブランドは軽視できなくなり、既存・未来の顧客の態度がデジタルチャネルを無視できなくしました。

Deloitteによると、2025年までに、ミレニアル世代とZ世代(1981~2015年に生まれた人々)がラグジュアリー市場の40%を占めると予想されています。

これらの若い世代の消費者は、今まで以上にデジタルな世界で暮らしています。彼らは、様々なデジタルチャンネルを通じた、高級ブランドのショッピングを期待しています。これは消費者が求める、利便性やショッピングの簡略化を提供する最高のオンライン体験になります。

他の一般的なアパレルリテーラーが十年以上オンライン体験を磨いてきた後で、高級ブランドにとっては最高の体験を提供することは大きな課題です。

しかし高級ブランド特有の武器もあり、BurberryやVersaceなどのブランドの例や、Net A PorterやSelfridgesなどといったリテーラーの例が参考になります。

高級リテーラーは基本的には高額商品を少数の顧客に販売しています。ということは、他の大衆市場リテーラーと比べ、顧客との関係を築く時間があると言えます。

よって、高級ブランドはリピーターセグメントの満足度を保つことに集中することができ、よりパーソナルなサービスや、新商品や特別セールへの限定アクセスなどの特典を提供することができます。

Net A PorterのEIPプログラムは、リピーターへの注力が結果を出すという良い例です。

これは大きな買い物をした顧客に特典を提供し、エンゲージを続けさせ、更なる買い物の機会をたくさん提供するものです。顧客の目線に立つと、特別な待遇を受けることはリテーラーからの感謝を感じることになり、また購入したいと思うようになります。

こちらも有効です。Net A Porterの顧客ベースのうち、2%が売り上げの40%に貢献しており、これらの顧客は一般の顧客と比べて12倍のショッピングを行っています。

また、高級ブランドは顧客体験にも注目するべきです。サイト上の使い勝手から、配達やアフターケアまで、総合的に良い顧客体験はライバルリテーラーとの差をつけるポイントです。

梱包などの細かい点まで重要になります。梱包は顧客へ「驚き」を届ける大きなチャンスで、高級ブランドショッピングの理由の1つにもなります。

そして、高級リテーラーは他のリテーラーの売り上げ増加戦略・テクニックを学び、参考にすることも重要です。同じターゲット層はAmazonなどのサイトでバーゲン探しを行うことも考えられ、同じ戦略が効果的になります。

例えば、オンライン上の高級リテーラーにとって、カート放棄は問題です。高級アパレルブランドの放棄レートは90.1%で、他アパレルリテーラーの85.45%よりも高くなっています。

カート放棄リカバリーはどんなリテーラーにも有効な戦略ですが、放棄カートの価値がより高い高級ブランドにとっては、失われたセールスを回収する戦略は貴重な収入源になり得ます。

2019年上半期では、高級ブランドの放棄回収セールスの平均オーダーバリューは£484.65でした。アパレル全体で見ると、この数字は£147.79でした。

こちらのBalenciagaの例のように、カート放棄Eメールのデザインは高級ブランドにおいては異なる場合がありますが、効果が出ることに変わりはありません。高級ブランドのカート放棄Eメールは全てのマーケティングEメールの中でも最高のパフォーマンス統計を持ち、44.84%の開封率、そして27.58%のコンバージョン率を誇ります。

高級リテールにとっては体験が全てです。オンラインショップはラグジュアリー特有の高級体験をそのまま反映したり、実店舗に代わったりする必要はありません。むしろ、消費者の嗜好に合わせたチャンネルの選択肢を提供し、消費者がどの方法でショッピングをしても最高の体験を提供することで、実店舗では提供できない体験を実現しましょう。

去年の上半期には、SaleCycleは2億件以上のアパレルショッピングの背景・動向をトラックしました。

このデータを活用し、弊社はオンラインアパレル市場の現状、主要統計、購入動向の傾向、そして全アパレルEコマースサイトに有効な戦略・ベストプラクティスをレポートにまとめました。アパレルトレンドレポートのダウンロードはこちらです。